

★パインの木です★
パイン材は松と訳されますが、パインには日本の松と檜をミックスしたような性質があります。良質の樹脂成分を多く含むため、木に粘りがあり傷やへこみの修復が容易で、使い込むほどに味わいのある飴色に変化します。海外では家具材、内装材として広く用いられています。ひと口にパイン材と言ってもその種類は50種以上あると言われていて、目の詰まり方、柔らかさ、木肌などが種類によって異なります。日本に入ってきているのはスプルスファーパイン、ポンデロッサパインなどの5、6種類。グレープバインの家具は主にスカンジナビア半島やカナダのケベック産の厳選したパイン材と昔ながらのイギリスの家具作り技術によって出来上がっています。

★パインの魅力★
一つは板目の中にあるいくつもの節です。これが家具の表情を豊かにし、温かみをかもし出します。その柔らかな木肌が持つ手触りや温もり感、気軽に使える親しみ易さというパイン材ならではの魅力があります。家具に詳しい人に、中には節のある木は良くないと言う人がいます。それは日本の松の木などの節が硬く加工し難いばかりか、節が抜けたり、折れや曲がりを引き起こすからです。しかし、輸入パイン材の節は極めて柔軟性があり、浮いたり抜けたりする事はまずありません。いわゆる銘木ではありませんが安価で入手が容易だった事、非常に丈夫という特性を持っていて永く使えるというメリットがあります。

★極めればオールドパイン★
英国では家に100年〜200年住むと言われています。その家を解体する時に出る古材、特に梁や床材を製材して再利用して家具にしたのが『オールドパイン家具』です。稀少さと歴史を感じさせる存在感でヨーロッパでもますます人気が高まっています。現在は材料不足で非常に希少価値が高まっています。

★英国パイン家具の特徴★
引き出しの中から、背板まで合板は一切使いません。すべて無垢材で仕上げます。3世代使われる英国家具と言われるのも無垢材を使った家具だからこそで、最近関心が高まっている合板から出る科学物質ホルムアルデヒドによる過敏症の対策においても無垢材が理想的だと言われています。

★ブリティッシュカントリーとは★
現代のブリティッシュカントリーは、昔の貴族の別荘的なものではなくイギリスの庶民の暮らしで、石造りの家や素朴でシンプルな木の家具のインテリアを指します。ほんの20年位前まではオーク材、ウォールナット材などを使った伝統的なものが主流で、パインを素材にした家具は殆どありませんでしたが、リーズナブルでラフに使える特徴がイギリスでも好まれるようになり、羊毛工場が次々とパイン家具工場に姿を変えパイン家具メーカーも急増しているそうです。これまでイギリスでパイン家具が作られなかった理由は、家具に適したパイン材がイギリスに無かった事、伝統的な家具が根付いていた事が考えられますが、様々な交通手段の発展によってカナダやスカンジナビアの良質なパイン材が豊富に輸入されるようになり、格調高い家具だけでなく気軽に使えるラフな家具にも目が向けられるようになったのです。これらは伝統的な家具の本場のものだけにデザインは完成されています。イギリスのパイン家具はメーカーが違ってもデザインが良く似ているのは、それ以上変えようが無いからとのことです。